プロット作成基準書・寸法編
〜作品の「仕上がりサイズ」を決める〜
ドーモ、皆=サン。
波乗りとびーです。
前回はプロットの作成を解説しましたが、肝心のボリュームについて言及していませんでした。
よって、今回は全体の尺を決定する基準、所謂寸法編を解説したいと思います。
「クッソ長くて読んでられねーよ、タコ!」というせっかちなヘッズは、「実作業編」から飛ばして読んでヨシ!
はじめに
重要ポイント
- 長さを先に決める(例:中編=50,000字)
- ノービスは中編を第一目標に(完走優先)
- 無理をしない(生活と体調が最優先)
- 完走した「感想」が次の成長を作る
ノービスが最も陥りやすい罠は「書き始める前に仕上がりを決めていない」ことです。
結果として「長くなりすぎて未完」「短すぎて何も伝わらない」「途中で迷走して石化する」といった事態に陥りがち。
ここでは仕上がりの寸法(=文字数・話数)を先に決めることで、執筆の成功確率を大きく上げるための基準を提示します。
本記事は二部構成です。
前置き+規格編 — 寸法を数値化し、比喩で直感を補助する。
実作業編 — 寸法別に書くときの考え方、章割り・山場の作り方、失敗例と回避法を具体的に示す(プロット作成手順自体は前回の記事を参照してください)。
→ まずは「どれくらいのサイズで仕上げるのか?」を明確にします。
これがあるだけで、プロットの範囲が定まり、リライトや分割の判断が容易になります。
小説寸法の規格(ラノベ基準)
執筆開始前に作品の「仕上がり寸法(文字数・話数)」を明確に定めるとヨシ!
あらかじめ目標を決めることで
- プロットの範囲
- 章割り
- リライト基準
等が定まって未完や迷走を回避しやすくなります。
以下、計測のヤリ♂方を語るまでに必要な前置きを淡々と垂れ流していきます。
寸法JIS表(拡張版:必要スキル × 難易度(★))
| 区分 | 文字数目安 | 話数目安(1話≒3,000字) | 必要とされるもの(スキル) | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 更新単位(1話) | 2,000〜4,000字 | 1話 | フック(冒頭)/短い描写力/テンポ制御 | ★☆☆☆☆ |
| 1話完結(ワンショット) | 2,000〜8,000字 | 1話 | 圧縮力/明確なテーマ/鮮烈な結び(オチ) | ★★★★☆ |
| 短編 | 8,000〜20,000字 | 3〜6話 | 圧縮力(不要情報の削ぎ落とし)/強いオチ設計/即効の世界提示 | ★★★★☆ |
| 中編(推奨) | 30,000〜70,000字 | 10〜25話 | 章ごとの山場設計/登場人物の小さな成長曲線/ペース配分 | ★★☆☆☆〜★★★☆☆ |
| 長編(1冊) | 80,000〜130,000字 | 27〜43話 | 伏線計画/サブプロット管理/読者維持(更新戦略) | ★★★★☆ |
| 大長編(シリーズ) | 150,000〜300,000字+ | 50話以上 | 編集・分冊設計/販売戦略/校閲・校正体制(複数者の運用) | ★★★★★ |
ノービス向けの推奨は中編(30,000〜70,000字)。
完走と品質の両立が図りやすい帯域です。
※大長編――いわゆるシリーズもの・数巻に渡る大規模作品は、個人のノウハウだけで完結させるには非常に高いハードルがあります。
実務的には「編集」「分冊設計」「販売戦略」「校閲・校正」「場合によっては複数のライター/校正チーム」といった関係者を含めた“製造ライン”として運用されることが多く、個人で全工程を担うと未完や品質低下のリスクが格段に上がります。
→ したがって本ガイドでは大長編は存在を紹介するに留め、ノービスへの実践的推奨対象からは外す方針とします。
経験を積み、中編を複数回完走した後に改めて検討してください。
尚、「だったら数百話更新してる投稿タイトルはどうなるんだよ?」
という疑問に対して本ガイドでは、以下の様に定義します。
大長編について(補足:「数百話更新」の扱い)
本ガイドでの「大長編(シリーズ)」の扱い方について補足します。
まず念のため明記すると、「長い=良い/正しい」ではありません。
また「数百話更新している=計画的シリーズ」と同一視するのも早計です。
そこで本ガイドでは、長さが極端に大きい作品を以下の3類型に区別して扱います。
計画的シリーズ(編集・分冊前提)
- 開始前または途中で「巻ごとの設計」「分冊案」「シリーズバイブル」など、明確な設計があるもの。
- 出版社・編集者の関与がある場合はこのカテゴリ。
- 制作は“複合的な工場ライン”に近い。
成長型長編(途中で構成化)
- 当初は個人で連載を始めたが、途中で全体構成や分冊案を組み立て直したもの。
- 更新中第三者の協力等により編集的視点(巻分け・目次設計)が導入され、構造化が成されたもの。
累積長編(ただ更新を連ねた結果のもの)
- 特に計画や分冊設計を設けず、更新を続けたら結果的に数百話になったもの。
- 本ガイドではこちらを「累積長編」と定義します。
- 個人ノービスが深追いすべき対象ではない。(未完リスク・品質低下リスクが高いため)。
「これだけじゃ判断できねーよタコ!」というせっかちなヘッズの為に、簡単なチェック機能を用意しました。
尚、投稿ページに公式の書籍販売ページや出版社告知などの明確な商用リンクがある作品は、便宜上「商用展開あり」と扱いますので判別はフヨウラ!(ただし個別の契約形態までは判定しません)。
なぜ「文庫換算=ラノベ1冊」を基準にするのか
- 実際の書籍市場やWeb→書籍化の流れを踏まえると、ラノベ基準(8〜13万字)が最も実利的。
- 「1冊=○万字」という現実的な目安があると、投稿プラン(話数・更新頻度・分割点)が立てやすい。
- ノービスの短期成功体験を重視するため、中編(3万〜7万字)を初期推奨とする運用が再現性高い。
身も蓋もない話ですが、我らノービスがストーリーを最初から最後まで管理しきれるのは文庫サイズのラノベ一冊分が限界かと思われます。
いきなり「シリーズ展開じゃあ!」等と欲をかかず、地道に完走した感想を積み上げる事が肝要です。
寸法を理解するための比喩
以下は「寸法(短編/中編/長編)が何を意味するか」を直感的に掴むための比喩です。
比喩は補助輪です。ピンと来ない人は数値(上の寸法JIS表)を基準にしてください。
分かりやすい例えをチョイスして貰えたらヨシ!
距離適性(陸上競技(人間)/競争馬)
少々強引ですが……。
書く長さ=走る距離に置き換えると以下の様になります。
短編:スプリント(100m)/短距離馬
→ 一瞬の爆発力で勝負する。序盤で読者の注意を掴み、短時間で結着させる必要がある。
中編:中距離(800〜1500m)/マイラー
→ ペース配分と瞬発力のバランス。序盤で世界観と人物を提示し、途中で山場を作りつつ締めるのに向く。
長編:マラソン/ステイヤー
→ 持久力と計画性が必要。伏線を張り、積み重ねを回収して大きな結末に繋げる耐久戦。
ゲームジャンル
ゲームに例えると、大体以下の様な感じになります。
短編:パーティーゲームに収録されたミニゲーム
→ ルールが単純で短時間勝負。遊びやギミック一発で満足感を与えるが調整(構成)が難しい。
中編:ステージクリア形式のアクションやシューティング
→ 面ごとに山場を置き、各面で少しずつ情報を出していく構成がハマる。章立て感覚で書きやすい。
長編:有名RPGタイトル/RTS(大作)
→ メインクエスト+サブクエストの設計、成長曲線、世界の広がりを設計する必要がある。長期プレイ(更新)を想定。
料理
更に強引に、お料理の種類っぽく言うと以下の様な感じです。
短編:一皿のおつまみ(おにぎり・一品)
→ 素材と味付けで一撃必殺。余計なものを入れられないぶん、本当に必要な要素を研ぎ澄ます技術が要る。
中編:定食(主菜+副菜+味噌汁)
→ バランス良く満足感を出せる。メインの見せ場と補助的な描写を適度に配分できる。
長編:フルコース
→ 前菜 → メイン → デザートと段階的に満足を積み重ねる。全体の味の統一(テーマの一貫性)が重要。
比喩のまとめと注意書き
本質は共通:どの比喩を使っても伝えたいのは「短・中・長で要求される技術が異なる」という点です。
比喩は補助輪:いまいちピンと来ない人は、例えを無視して数値(寸法JIS表)で判断するのが楽です。
優劣ではなく得手不得手:「短い≠簡単、長い≠難しい」です。要約が上手いとか、根気があって管理が上手い等、人によって得意分野は異なります。
運用ルール(簡潔)
- 書き始め前に「目標寸法」を決める(例:中編・5万字=約17話)。
- 執筆中の許容範囲は±20%まで(これ以上は方針見直し)。
- 短編は「圧縮訓練」、長編は「分割・巻数設計」を必ず行う。
- 長編=約4000字の話が30話×章の数だけ
- 短編=約4000字の話の複数話を一話に圧縮
冒頭でも語りましたが、中編はこれらをあまり深く考える事なく書けるのでノービスにはオヌヌメです。
(流石に脳タヒでは無理ですw)
書き終わった後、字数が想定よりどうなってるかで、うpする前に失敗の原因が判明します。
- 思ったより字数が少なかった→夏休みの日記並みに単刀直入過ぎ。
- 予定を遥かにオーバーして尚終わらん→描写が細かすぎor横道にそれた話のせいで本筋が進んでない。
中編に設定しとくだけで増やすか削るかすぐ分かるのでノービスにもすぐ判断できてヨシ!
ノービスへの推奨ルート
簡潔にルールを垂れ流しましたが、ここからはより具体的に
「実際にどの寸法を選び、どのように着手するか」
をノービス向けに解説します。
結論から言うと最初の狙いは「中編(30,000〜70,000字)」。
その理由と、実際の進め方を示します。
なぜ中編を第一目標にするのか(要点)
- バランスが良い:短編のような極度の圧縮力も、長編のような持久力もどちらも極端には要求されない。
- アイディアを盛り込める:登場人物の立ち位置や主要事件を入れても尺に余裕がある。
- 完走しやすい:比較的短期間で読者の反応が返ってくる(完結していれば感想が言える)。
- 実利的:中編複数=後の書籍化や外伝化へのつなぎが作りやすい。
寸法選びの実務的フロー(即実行できる手順)
目標寸法を決める(最重要)
例)「中編:5万字(=およそ17話 × 3,000字)」と決める。
ゴール(結末)を一文で書く
例)「主人公は〜を乗り越え、〜を得る」など、結末ラインを先に定める。
主要山場(章=ステージ)を3〜5個決める
各山場は「起点→葛藤→解決」のミニサイクルを持たせる。
1話あたりの目標字数を決める(通常は2,000〜4,000字)
→ 計画的に話数が算出できる。
執筆スケジュールを組む(週1〜3話が現実的)
全部書いてから予約投稿でうpしてもよい。
チェックポイントを設定する(全体の25%・50%・75%地点で進捗&満足度チェック)
リミット(±20%ルール)を定める
→ 目標が5万字なら、4万〜6万字を許容範囲に設定。超えたら再設計。
実作業時の注意点(中編向け)
- 冒頭3話で世界観と主人公像を提示する:読者が定着するかここで決まる。
- 各章=“小さな勝ち”を用意する:山場の達成感が読者の継続を支える。
- 説明は最小限、行動で見せる:長く説明すると流れが止まる。
- 中盤のダレ対策:山場と山場の間に「小さな事件」か「キャラの掘り下げ」を挟む。
- 編集/圧縮は最後にやる:まずは完走→推敲の順が鉄則(特にノービスは完走経験が大事)。
- 慌てない:書いてすぐうpする自転車操業は避ける事(長期間放置は信頼の棄損に繋がる)。
- 無理をしない:書く時間が確保出来ないなら全部書いてから予約投稿の方がよい(現実の生活の方が大事)。
- 凝り過ぎない:ノービスがむきになると文字数の増大と迷走の原因になるので決めた話数に納めるのが吉。
実行プラン例(すぐ使えるテンプレ)
- 目標:中編 50,000字(約17話)
- ペース:週2話(1話=3,000字想定) → 約8.5週で一周(約2ヶ月)
- マイルストーン:第1チェック(第4話達成)、第2(第9話=半分)、第3(第13話=残り3〜4章)
- 見直し基準:第2チェックで「話が伸びすぎ/縮みすぎ」ならプロットを調整して第3チェックに進む
プロットが無い/材料が揃っている人別スタート案
材料ナシ(アイディアだけ):
- 一文で結末を書く
- 3つの山場を決める
- 章ごとの要点を列挙
- 第1話を書き始める
材料アリ(キャラ・設定がある):
- キャラを結末にどう結びつけるか定める
- 山場をキャラごとの試練として割り振る
- 第1〜3話を固める
迷走したときの対処(よくある脱線パターンと回避)
脱線パターン:サブイベントが肥大化する
→ 回避:そのサブイベントを「短編ネタ」として切り出す(外伝化)。
脱線パターン:文章量が規格を超えて増え続ける
→ 回避:重要度の低い描写を切るor章を分割して次巻候補にする。
脱線パターン:やる気が落ちる(動機の損失)
→ 回避:第1チェックで短期目標を再設定、小さな成功体験(3話連続完成)を作る。
推奨ルート(ショートガイド)
- 短期トライ:中編(30k〜70k) → 完走を経験。
- 圧縮訓練:短編(8k〜20k) → 技術向上のために時々チャレンジ(だが初手は避ける)。
- 持久挑戦:長編(80k〜130k) → 中編を複数回完走してから挑む。
※大長編は上級者の仕事(巻数管理・編集体制・完結力が必須)
→ 本記事では紹介のみ。ノービスには推奨しない。プロに任せて読む方に回りましょう。
実作業編
結論(先走り)
「短いし一話で終わるから平気平気w」
「準備は完全に整った。超編大河ドラマの幕あけじゃあ!」
等、ノービスがいきなり短編や長編を書こうとするとエライ目にあうのは確定的に明らかです。
ここは逸る気持ちをグッと堪え、まずは 中編を主軸に深掘り。
その後、短編/長編は要点だけ簡潔に補足する構成が推奨です。
(いちいち三回以上ヨシ!って確認してからミス0で進めた方が、雑に素早くやって都度ミスするより結果早くなります)
中編を丁寧に仕上げることで「完走体験」と「汎用的な技術」が同時に得られます。
他の長さは十分にレベル上げしてからでも全然大丈夫で問題ありません。
1. 序章:本章の読み方
まず 中編を読む/実践することを前提に設計しています。
短編及び長編は更に別のテクノロジーを必要とし、我らノービスには荷が重い為、今回は触れません。
忙しい方は「中編パート」だけをしっかり読むとヨシ!
2. 中編
2.1 目標設定テンプレ
目標字数:例)50,000字
まずは「完成形として何字にしたいか」を決めます。
漠然と「長めに」とするより具体的な数字を決めると、章ごとの分配や削る/足す基準が立ちます。
目標は丸めておく(例:5万字)と管理しやすいです。目標話数:例)約17話(1話=2,500〜3,000字)
作品全体を何話に分けるかを決めます。
1話あたりの目安字数を決めると日々の作業量が算出でき、スケジュールが組みやすくなります。
更新媒体があるならその更新単位(週1回など)に合わせて割り振ってください。ペース:例)週2話(完成まで約8〜10週)
自分の生活リズムに合わせた現実的なペースを最初に決めます。
速すぎる計画は破綻の原因になるので、余裕を見たペースがおすすめ。
まずは「守れる」程度に設定して、慣れてきたら上げる方が安全です。許容幅:±20%
進めていくうちに増えたり減ったりするのは普通です。
目安として±20%を許容範囲とし、これを超える場合は「再設計(プロット見直し)」の合図とします。
数字を先に決めるのは、この基準で思い切って削る/伸ばす判断を迅速に行うためです。
小ワーク(2分)
- 今回の目標字数を書き出す(例:50,000字)。
- 1話あたりの目標字数を書き出す(例:2,900字)。
- 目標話数を自動計算する(目標字数 ÷ 1話字数)。
この3つが揃えば、以降の章割りとスケジュールが決まります。
2.2 章割テンプレ(50,000字/約17話)
全体の寸法は決まりました。
次はより細かく採寸していきます。
以下は 各話で必ず果たすべき役割 と、書くときに気を付ける簡単なコツです。
各話ごとにワンラインチェックを埋めながら進めるとヨシ!
尚、「採寸っつったって分かんねぇよ!」という悩めるヘッズは、下記の構成をそのまま利用すればおkです。
何回かやってみれば、自然と身について好きにカスタマイズ出来るようになるので大丈夫で問題ありませんぞ。
第1話:フック+主人公の日常(導入) — 問題の種を提示
目的:読者を引き込む。主人公の「現在」と最初の問題を見せる。
ヒント:冒頭30〜100行で問いを出す。設定説明は行動で示す。第2話:世界観の拡張+小さな対立 — 主人公の弱点を顕示
目的:世界のルールと主人公の弱みを示す。読者が感情移入しやすくする。
ヒント:具体的な制約や敵対要素を提示する。第3話:初の挫折(小山場) — 目的が明確に
目的:主人公が初めて失敗することで、今後のゴールがはっきりする。
ヒント:失敗の代償を示し、動機を強化する。第4話:仲間/対立者の提示 — 人間関係を固める
目的:サブキャラの立ち位置を決め、関係性の緊張を作る。
ヒント:会話や小さな事件で役割を示す。第5話:第一次転機 — 事件で方向転換
目的:主人公の目的が外部的に動かされるか、決意が固まる転換点。
ヒント:選択を迫る状況を作る。第6話:情報供給+小さな勝利 — 読者へ報酬
目的:読者に「進んで良かった」と感じさせる小さな成功を与える。
ヒント:新情報は一度に大量に出さず、必要最小限を効果的に。第7話:伏線A提示(細工)
目的:後で回収するための伏線を自然に差し込む。
ヒント:日常会話や背景描写でさりげなく置く。第8話:葛藤の深堀(主人公の選択)
目的:主人公の価値観や弱点が試され、成長の種が蒔かれる。
ヒント:選択の難しさを描き、感情の揺れを見せる。第9話:中間山場(半分の盛り上げ) — 大きな損失or発見
目的:物語の半分で一度ピークを作り、後半への推進力を与える。
ヒント:ここで読者に強い印象を残す出来事を用意する。第10話:回復と方針転換(立て直し)
目的:被った損失に対処し、主人公が新しい方針を決める。
ヒント:策を講じる描写で能動性を強める。第11話:伏線B回収の小事件
目的:早めに伏線を一つ回収して「回収は可能だ」と読者に示す。
ヒント:小さくても確実に回収することで信頼を稼ぐ。第12話:クライマックス布石(情報統合)
目的:これまでの断片情報をつなぎ合わせ、決戦の準備をする。
ヒント:選択肢と代償が見えるように配置する。第13話:最大の対立(クライマックス直前)
目的:最大の障害が明確になり、クライマックスの期待を高める。
ヒント:時間制限やハイリスクを導入すると緊張が高まる。第14話:クライマックス(決戦)
目的:物語の最大衝突を描き、因果を決着させる。
ヒント:アクションでも心理戦でも「報い」を感じさせる終着を作る。第15話:余波(結末への布石)
目的:勝敗の直後を描き、残された問題を洗い出す。
ヒント:感情的整理の時間として、読者に余韻を準備させる。第16話:最終解決(残伏線の回収)
目的:残った伏線や疑問点を可能な限り回収する。
ヒント:無理な回収は避け、主要テーマに集中する。第17話:余韻+締め(テーマの明確化)
目的:読後感を決める。テーマを反芻させ、必要なら続編フラグを薄く残す。
ヒント:読者が持ち帰る「一文」を意識して締める。
各話のワンラインチェック(必ず書く)
- 目的(1行):この話で読者に与えたい「変化」や「情報」。
- 主な描写要素(箇条):例:対話/移動/戦闘/内省/説明(短く)
- 回収する伏線(あれば):伏線IDまたは簡潔な文言(例:「幼少期の印」→後半回収)
記入例(第1話)
- 目的:主人公の日常を見せ、最初の問い(謎)を提示する。
- 主な描写要素:通学場面/奇妙な手紙/短い会話
- 回収する伏線:手紙の差出人(伏線A)
この時点ではまだ本文を書かなくて大丈夫で問題ありません。
まずは気楽に、思いつくままに書いてみてください。
書きっぱなしでも構いませんし、気に入らなければそっと保管しておけばそれで大丈夫です。
完璧を求めずにまず形にすることを優先しましょう。
必要な項目が埋まったら、次のステップ(各話の肉付けや推敲)へ進みます。
出発、ヨシ!
2.3 序盤/中盤/終盤の書き方ポイント
ここから先は「書く」局面に直結する具体的な話です。
未知への挑戦に緊張するのは当たり前。
——特に初めての長さに挑むときは手が震えます。
(寒空の下に放り出されたチックが如く)
大事なのは「完璧に一度でやろうとしない」こと。
まずは最低限の骨組みを作って、少しずつ肉付けしていけばヨシ!
深呼吸して、一行だけ書いてみましょう。
それだけで次の一歩が見えます。
冒頭(1〜3話)
目的(文章量観点):全体の約10〜20%を占める想定で、読者の関心を引くために情報と動きを詰める。
想定例(50,000字の場合):5,000〜10,000字(第1〜3話合計)。
短すぎる(目標の−20%未満)
問題点:世界観や登場人物が薄く、読者が状況を把握できない/フックが弱い。
対処法:
- 主人公の「欲求」や「現在の問題」を1シーンで明示する(行動で見せる)。
- 読者が共感できる細部(感覚描写、小さな対立)を1〜2箇所付与する。
- 重要な設定説明は「対話」や「疑問で提示」して埋める。
小タスク:第1話冒頭30行で問いが出ているか確認。無ければ追加。
長すぎる(目標の+20%超)
問題点:導入で時間を使いすぎ、本筋の進行が遅れる/読者の集中が切れる。
対処法:
- 「説明的描写」を優先度で分ける(必須 / 望ましい / 削除候補)。
- 詳細説明は後の話に移動(=“後出し”で補完)。
- 導入にある冗長な情景描写や余談を削る/短縮する。
小タスク:第1話の説明文を半分にする試し編集(行数削減で効果を見る)。
中盤(4〜12話)
目的(文章量観点):全体の約50〜65%。山場と小さな勝利を散りばめつつ情報を広げる。
想定例(50,000字の場合):25,000〜32,500字(第4〜12話合計)。
短すぎる
問題点:中盤が薄く、盛り上がりに欠ける。伏線を仕込む余地がない/キャラの肉付け不足。
対処法:
- 「中盤の小さな勝利」を追加(例:主人公の作戦成功、小さな発見)。
- 既存シーンを分割して心理の掘り下げや詳細描写を足す(行為→結果→反応の順で肉付け)。
- サブプロット(小)を1本差し込み、キャラの行動理由を補強する。
小タスク:第4〜8話に1つずつ“勝利”シーンを入れられるか検討する。
長すぎる
問題点:サブイベント肥大化、テンポ低下、終盤に回すべき情報が中盤で消費される。
対処法:
- 章ごとに「必須/望ましい/削除候補」ラベルを付け、削除候補を優先して切る。
- 大きなサブイベントは外伝化または後編へ移す(分割プラン)。
- 同一の情報を複数回説明していないかチェック、重複を削る。
小タスク:中盤の行数の上位3シーンを読み返し、どれが本筋に直結するかを判断する。
終盤(13〜17話)
目的(文章量観点):全体の約20〜30%。因果の収束・伏線回収・余韻の配分を行う。
想定例(50,000字の場合):10,000〜15,000字(第13〜17話合計)。
短すぎる
問題点:解決が急ぎ足、伏線が回収できていない、読後感が薄い。
対処法:
- 主要伏線ごとに「回収シーン」を1つずつ確保する(短くても良い)。
- クライマックスの対決描写を肉付け(動機 → 行動 → 結果 → 感情の順で)。
- 余韻(余波)を1シーンでも追加して、読後感を安定化させる。
小タスク:残り語数で主要伏線を回収できるか計算する(下項参照)。
長すぎる
問題点:余韻が冗長、回収が過剰に細かい、テンポが崩れる。
対処法:
- 余波や後日談の長さを短縮し、主要な回収に集中する。
- 不要な“説明の余白”をカット(結果を行動で示すなど)。
- 必須でない細部回収は「注釈的な言及(短文)」に切り替える。
小タスク:終盤の各章で「主要伏線/重要度」をリスト化し、低重要度を削る。
お疲れさまです。
ここまでで「骨格」は整いました。
まだ不安が残るのは自然なことですし、それが才能の表情でもあります。
次は実際に手を動かして「小さな勝利」を積む番です。
1話ずつ、チェックリストを埋めていく感覚で進めれば、いつの間にか全体が出来上がっています。
困ったらこのページに戻って基準を読み直してみましょう。
— 何度でもやり直して大丈夫で問題ありませんぞ。
便利な計算式(進捗と残り語数の把握)
- 現在の達成率 =
現在字数 ÷ 目標字数 - 残り語数 =
目標字数 − 現在字数 - 残り話数での1話当たり予定字数 =
残り語数 ÷ 残り話数
(例:50,000字目標、25,000字到達、残り8話 → 25,000 ÷ 8 ≒ 3,125字/話)
→ これで「今のままでは1話あたり何字書く必要があるか」が分かる。
予定より多すぎる(+20%超)なら構成変更か削減を即決する。
2.4 チェックポイントと見直しルール
チェックポイントや見直しルールは「罰則」ではなく、あなたが迷子にならないための道しるべです。
初めてだとルールが窮屈に感じるかもしれませんが、これは「安心して走り切るための柵」だと思えばヨシ!
小さなチェックをこまめに入れると、後で大幅な手戻りを避けられます。
手が震えるのは当たり前。
— でも一歩ずつ確かめれば必ず前に進めます。
25%チェック(第4話到達時)
目安:全体の約25%の字数に到達しているか確認(例:50kなら約12,500字)。
見るべき点(量):冒頭3話で情報過多になっていないか/世界観と問いが提示され、かつ字数が目標内に収まっているか。
対処行動:
- もし 少ない(−20%以上) → 第1〜4話に「説明不足」または「追加の心理描写」を挿入する(小シーン追加)。
- もし 多い(+20%以上) → 第1〜4話から説明的な部分を削る/後の話へ移す。
判断ルール:25%時点で「残り字数÷残り話数」で1話当たり字数が現実的か算出(高すぎたら削減)。
50%チェック(第9話到達時)
目安:全体の約50%の字数到達(例:25,000字)。
見るべき点(量):中盤で伸び悩んでいないか、主要山場が機能しているか。中盤が薄ければ後半に負担が集中する。
対処行動:
- 足りない:中盤(第4〜9話)に情報/勝利シーンを追加して盛り上げを作る。
- 多すぎる:中盤のサブイベントを洗い出し、優先度の低いものを削る・外伝へ移す。
具体チェック:「残り語数」で終盤に必要な回収語数を確保できるか計算する(下項を参照)。
75%チェック(第13話到達時)
目安:全体の約75%(例:37,500字)。
見るべき点(量):終盤の語数が十分に確保されているか。回収すべき伏線量に対して語数が足りないリスクを判定する。
対処行動:
- 語数不足(残り語数 < 回収に必要な概算語数) → 早急に優先度の低い伏線を切る、またはプロットを短縮化する(=複数の伏線を一シーンで回収するなどの凝縮)。
- 語数余剰(出力余力あり) → 終盤での感情の掘り下げを入れて読後感を強化するか、外伝的短編へ回す検討。
判断ルール:ここで「延長」か「削減」を最終判断。延長するなら巻分け/分冊の計画(出版社的配慮)を想定しておく。
チェックが面倒に思えるときは「今だけのルール」と割り切ってください。
完璧を求めず、まずは基準通りに一度流してみる——
それだけで次の判断が格段に楽になります。
結果が期待通りでなくても大丈夫だ、問題ない。
チェックは修正の助け、失敗は改善の材料です。
こまめに確認して、安心して次の話へ進みましょう。
実務テンプレとおまけ
以下にケース別のテンプレとおまけを憑けておきます。
削るときの実務テンプレ(すぐ使える)
- 各章を「必須 / 望ましい / 削除候補」にラベル付け。
- 削除候補を先に削る(1シーンずつ)。
- 削除後、章の因果が崩れていないかチェック。
- 必要なら「一文でシーンを要約」して短い言及に置き換える。
増やすときの実務テンプレ(すぐ使える)
- 追加すべき目的(例:「伏線回収」「感情の深掘り」「説明」)を1行で定める。
- その目的を満たす最小のシーン(200〜600字目安)を設計。
- 追加後、全体テンポを確認(直前の話と連続して不自然でないか)。
±20%ルールの運用例(50,000字目標)
- 上限(+20%)=60,000字:超える見込みなら、分冊案/外伝化/サブプロット削減を検討。
- 下限(−20%)=40,000字:足りない場合は中盤の勝利や終盤の回収シーンを追加。
→ 25%・50%・75%チェックで毎回このラインに照らして判断する。
短いチェックシート
- 現在字数 / 目標字数 = / (%)
- 残り話数 = → 残り語数 ÷ 残り話数 = 字/話(現実的?Y/N)
- 25/50/75%チェック:該当時点で 多い / 少ない / 想定内 を記入
- 今回の最優先アクション(削る or 追加 or 再設計):____
2.5 失敗例と回避テンプレ(原因付き)
以下は書いてる内に稀に良く起こる問題の原因と諸症状、及び回避案です。
我らノービスは未熟故に事がスムーズに終わる事等ほぼあり得ません。
だが大丈夫だ、問題ない。
そういう時は落ち着いて
「(執筆を)止める、(この項目を)呼ぶ、(回避策を)待つ」
で、落ち着いて行動すればヨシ!
※ここでの「呼ぶ」は、このガイドの該当箇所を参照することを指します(場合によっては第三者を“呼ぶ”=相談する、という意味も含みます)。「待つ」は無理に解決しようとせず、冷却期間を置いて状況を整理することです。
※このスローガンは某大工場の絶対ルールで、ひょっとすると見た事がある方もいらっしゃるかもしれません。あらゆる場面で応用出来る故に採用させていただきました。
サブイベント肥大化
原因:サブプロットに感情移入してしまい、削る判断を先送りにした / 初期プロットでサブイベントの重要度を明確にしていなかった。
症状:サブイベントがメインより目立ち、本筋が希薄になる/章が膨らむ。
回避テンプレ:
- 問:そのサブイベントは「主人公の主題(テーマ)」に直結するか? → いいえなら外伝化 or 切る。
- ラベリング:該当シーンを「必須 / 望ましい / 削除候補」に分類。
- 削除方法:削除候補を1シーンずつ切り、因果が崩れないかをチェック。
- 外伝化案:外伝にするときは「その話だけで完結するフック」を用意して分離。
字数増大で終わらない(膨張)
原因:説明過多(書き手の安心感確保のための過剰説明)・描写の贅肉化・サブ筋の無秩序な挿入。プロットの優先順位が曖昧で、止める基準がなかった。
症状:描写や説明が膨らみ、予定した話数・字数を大幅に超過。終盤まで届かない。
回避テンプレ:
- 章ごとに「必須/望ましい/削除候補」を作る(優先度ランキング)。
- 重複チェック:同じ情報を複数箇所で説明していないかを確認、重複を削除。
- 圧縮テク:説明は「行動で示す」へ切替。情景描写は要点のみ残す。
- 最終手段:分冊(続編)案を検討するか、主軸だけ残して副筋は外伝へ移す。
モチベ切れ/息切れ
原因:長期目標が遠すぎて達成感が得られない/生活リズムや体調で執筆時間が確保できない/完璧主義で推敲ばかりして前に進めない。
症状:中盤〜終盤で執筆が止まる、更新が途切れる、気力が続かない。
回避テンプレ:
- 小さなゴール設定:短期目標(例:3話連続完成/1日500字)を設定。達成で自分を褒める。
- 作業分割:執筆を「プロット作業」「執筆」「推敲」に分け、短時間で終わるタスクを用意。
- バッファ導入:執筆ペースを緩めるか、予約投稿で余裕を作る。
- モチベ回復策:短い外伝(短編)を書いて気分転換、または公開前にレビューと褒賞を設定。
文字数が規定に到達しない(不足)
原因:プロット不足で必要な展開が設計されていない/場面が薄く描かれている/途中で削ぎすぎて回収に必要な語数を失った。
症状:目標字数に届かず、終盤まで来ても回収に必要な語数が足りない。読後感が薄くなる恐れ。
回避テンプレ:
- 数値確認:残り語数 ÷ 残り話数 で1話当たり必要字数を算出(現実的か判断)。
- 追加方針決定:足りない語数を埋めるため「感情の掘り下げ」「背景説明の補強」「重要シーンの延長」のいずれを採るか決める。
- 最小追加単位で埋める:1シーンあたり200〜600字の短い追加を複数回挿入して調整。
- 代替案:目標を見直す(±20%ルール内に調整)か、回収すべき伏線の数を減らす(優先度低の伏線削除)。
別の展開や新しい設定を思いついてしまった(アイデア分岐)
原因:創作の自由度ゆえに良案が浮かぶのは自然だが、当初のプロットでの優先順位やコアテーマが曖昧だとそちらへ流れる/創作欲が一時的に暴走する。
症状:既存プロットを放り出して新展開に手を付けたくなる・作品が二股化して進まない。
回避テンプレ:
- まず「保存」:新設定は別ファイル(Ideas.md)へ記録し、今は本筋に戻る。
- 早期判定(1行で可):「この新展開は主題を強化するか?(Y/N)」
- Y:本筋を再設計するか、±20%以内なら統合(ただし再設計は計画的に)。
- N:外伝・短編ネタとして温存。
- 試験挿入:どうしても試したければ「1章(短い挿話)として暫定挿入→読者反応/自分の満足度で継続判断」。
- 期限ルール:新展開を採用するか否かは「48〜72時間ルール」で判断(冷却期間を置く)。
決められないときの短い判断基準(ワンライン)
- 主題適合性:新要素が作品の核(テーマ)を深めるか? → 採用候補。
- 字数コスト:残り語数で吸収可能か? → ±20%以内なら柔軟に扱う。
- 読者価値:読者が得られる満足が増えるか? → 高ければ優先度を上げる。
すぐ使える行動フロー(3分ルール)
- 問題を1行で書く(例:「中盤が薄い」「新設定を入れたい」)。
- 判定(主題適合性/字数コスト/優先度)を1分で評価。
- アクション:削る/追加(最小単位)/外伝保存のいずれかを決め実行。
- 3日後に結果を見直す(冷却サイクル)。
2.6 実践ワーク(テンポ別)
最後に、実際執筆する際の「長さ」と「公開ペース」について決めておきます。
「書き終わったらうpすりゃいいんじゃね?」
と思うかもしれませんが、期限を切らないと大概の場合は【モチベ切れ】(失敗例3)に直結します。
とはいえ、毎日決まった時間に投稿することが閲覧数に有利なのは事実です。
しかしアマチュアのノービスがそれを無理にやると、生活や体調を犠牲にしがちです。
優先すべきは PV ではなく日常と健康。
まずは、自分に合った無理のないペースを見つけることも立派な経験です。
- 短期プラン(速攻):週3話 → 6週間で完成(完成は早いがリスク大:燃え尽き/品質低下)
- 標準プラン:週2話 → 約9週間(バランス良。推奨)
- ゆったりプラン:週1話 → 約4ヶ月(安定志向・生活優先)
- パッケージプラン:全部書いてから予約投稿で順次公開 → 忙しい人向け(公開開始までフィードバックが得られない点に注意)
各プランの実務補足(そのまま運用できるポイント)
共通ルール(全プラン適用)
バッファを作る:公開開始前に最低 2〜4話分のストック を用意すると安心。突発休止時の救済になります。
編集は最低1回は挟む:初稿→1回だけのライト推敲で良い(完璧主義を避ける)。
週レビュー:週に1回、進捗と体調をチェックし、必要ならペースを見直す。
公開と先行書きのバランス:公開が重要なら「先行で3〜5話仕上げて公開開始→その後は週ペースで書き溜める」が現実的。
短期プラン(週3話) — 実行ポイント
- 向いてる人:書く速度が速い/短期集中できる人。
- バッファ:理想は 5話以上 のストック。
- 注意:品質低下とモチベ切れのリスク大。定期的に「休息日」をスケジュールに入れる。
- 例スケジュール(週):月・水・金=執筆日、日=軽い見直し・予約投稿設定。
標準プラン(週2話) — 実行ポイント
- 向いてる人:仕事や学業と両立しやすい。バランス型で一番推奨。
- バッファ:3〜4話 を先に書いてから公開開始するのが安全。
- 例スケジュール(週):火=新規1話執筆、木=新規2話執筆、日=軽い推敲+予約/投稿準備。
ゆったりプラン(週1話) — 実行ポイント
- 向いてる人:忙しい人、品質を重視したい人。
- バッファ:2話 程度あれば安心。
- 利点:推敲時間が取りやすく、体調管理しやすい。
- 欠点:読者獲得には時間がかかる(ただし確実に続けられることが重要)。
- 例スケジュール(週):土=新規1話執筆、日=推敲+予約投稿。
パッケージプラン(全部書いてから予約投稿) — 実行ポイント
- 向いてる人:まとまった時間が確保できる/公開前に完成度を高めたい人。
- 利点:全体最適な推敲ができる、公開後の信用も得やすい。
- 欠点:フィードバックが遅れる・公開開始まで反応が得られない。
- ハイブリッド案(推奨):まず 3〜6話を書き溜め → 公開開始 → 残りを執筆しつつ常に 3話のバッファ を保つ。
追加で使えるツール/習慣(簡潔)
- カレンダー管理:週単位で執筆/推敲日をGoogleカレンダーに入れる(通知で忘れない)。
- タイマー作業(ポモドーロ):25分作業+5分休憩で集中力を維持。
- 進捗表(スプレッドシート):話数/目標字数/実績字数/ステータス(下書き/推敲/予約)を管理。
- 自己報酬:短期目標達成時に小さなご褒美を設定(カフェ・散歩など)。
まとめ — 今ここで持って帰ってほしいこと
ここまでで決めたことはとてもシンプルです。
「まずは仕上がりの寸法を決める」→「その寸法に合わせて章割りとペースを設計する」→「25/50/75%でこまめにチェックする」。
これだけ守れば、迷走や未完リスクは格段に下がります。
主要チェックポイント
- 目標字数(例:50,000字)と1話の目安字数を先に決める。
- 許容幅は±20%。これを越えたら方針見直し。
- 25%(第4話)/50%(第9話)/75%(第13話)で必ず「量」と「回収力」を確認する。
- 困ったらまずは「止める、呼ぶ、待つ」(一旦止めて本ガイドを参照/相談、必要なら冷却する)。
失敗を怖がらないでほしい
失敗は予定調和ではありませんが、原因が分かれば対処できます。
サブイベント肥大化・膨張・モチベ切れ・字数不足・新案分岐――それぞれに「原因」と「即効の一手」が用意されています。
小さなアクション(+200〜600字の追加、1シーンの削除、3話連続完成の設定)で十分解決できることが多いです。
ペース感(実践プラン)
あなたの生活と体調が最優先です。
短期(週3)〜標準(週2)〜ゆったり(週1)〜パッケージ(全部書いてから)から、自分が「続けられる」ものを選んでください。
公開のためのバッファ(2〜5話)を用意するのはプロでもアマでも有効な習慣です。
いかがだったでしょうか。
これでプロット作成基準書(寸法編)はおしまいです。
前回の作成編と合わせれば必ずや貴方が望むプロットが作成できるでしょう。
ちょっとでも参考になったならば幸いです。
今回はここまで。
サラダバー!


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