🩵ノービス救済!ストーリー四大要素でアイディアを楽々生産しよう(第三回:発端と結末の決め方)
ドーモ、皆=サン。
波乗りとびーです。
今回は四大要素でアイディアを生産するジツを解説する記事の第三回目です。
前回の記事はこちら
前回の「主人公と悪役」につづいて、今回はいよいよ「発端」と「結末」について解説して逝きます。
良かったら、見てください!
3️⃣ 「発端」と「結末」はどうやって生まれる? ~欲求の衝突が物語を起動する~
物語は、動き出した瞬間から物語になる。
そしてその「動き出し」を生むのが――
主人公と悪役(または障害)の“欲求の衝突”です。
――物語は“衝突”の瞬間に点火する!
さて、ここまででキャラは動くようになりました。
主人公の「心・技・縁」が整い。
悪役の「心・技・縁」も対になる形で勃ち起がった。
でも――。
「で、結局どこから物語を始めればいいの?」
「どうやって終わらせればいいの?」
「何もおっ始まらねぇし、終わりもしねぇじゃねぇか、タコッ!」
という声が、ここで必ず上がります。
大丈夫だ、問題ない。
今回はまさにそこ――
発端と結末を、キャラの突き♂合いから導く方法を解説します。
⚡ 発端は「ぶつかる瞬間」に生まれる
発端は、ただの事件じゃない。
エネルギーがぶつかる瞬間だ。
地殻がずれれば地震が起きるように、欲求が逆向きになった瞬間に物語は点火する。
意識あるヒット同士、出会い、時の流れ。
何も起きないはずがなく。
「誰かの欲求が、誰かの欲求とぶつかる瞬間」が必ず存在します。
たとえば:
- 誰かが“守りたい”と思った時、誰かが“壊そう”とする。
 - 誰かが“自由になりたい”と思った時、誰かが“縛ろう”とする。
 - 誰かが“愛したい”と思った時、誰かが“奪おう”とする。
 
この「価値観」や「欲求」のベクトルが逆向きになった瞬間、
物語は静止から運動へと変わります。
🐾 実例:『傍らにいるものたち ~それでも彼らはここにいる~』
ここで一つ、実際のケーススタディを挙げましょう。
拙作『傍らにいるものたち ~それでも彼らはここにいる~』(カクヨム掲載)では、
まさにこの「欲求の衝突」から物語が勃ち起がっています。
👉 以下、ダイマ:ぬこのスペースファンタジー ~OLと、その傍らにいるものたち~
🧩 四大要素で整理すると
一応、ダイマをご覧になった前提で逝きます。
読まなくても大体分かりますが……。
「てめーのテイルズなんて読んでる暇ねーよッ! タコッ!」
というお忙しい方もいらっしゃるかと思います。
大丈夫だ、問題ない。
そんなせっかちなヘッズの為に一番いい説明をさせて頂くと
「OLの飼いぬこが主人のピンチを救うテイルズ」
となります。
これなら忙しい人もご理解頂けるでしょう。
ということで、このテイルズの四大要素を表にすると以下の様になります。
| 要素 | 内容 | 
|---|---|
| 主人公 | チャトラス(ヌコンの民) | 
| 悪役 | ポチ・ザ・グラットン(スヌ・イーカ) | 
| 発端 | OL・咲のもとに、異星の魔の手が忍び寄る | 
| 結末 | ポチカス、敗北の果てに保健所送り(=浄化) | 
テイルズの内容と同様にしょぼくれてますねw
「嘘をつけッ! これだけでテイルズになる筈がないッ!」
と言われるかもですが、ほんとにこれだけです。
詳しくは拙著をご覧頂くのが最良ですが……。(ダイマしつこいw)
「俺は一刻も早くケツ♂論が知りてーんだ! 下らねー落書きなんて読んでられるかッ! ボゲェッ!」
という大変お忙しいヘッズもいらっしゃるかと存じます(´;ω;`)
なので、読まずに済むように、各要素を前提としてまとめておきます。
登場人物
- 加々美咲
ただのOL。劇中では普通に生活してるだけ。
おっぱいがSUGIDEKAI美女。 - チャトラス&ケミー
OLの愛猫ズ。強い。
守ったり癒したりする技を数多く持っている。 - ポチ・ザ・グラットン(ポチカス)
パピーに擬態した侵略者。喋り方がオサーン。 - 保健所のおぢさん
保健所のおじさん。
害獣駆除と遺骸撤去のプロフェッショナル。 
バックボーン設定
- ヌコンの民
遥か太古に故郷の星を失い、ヒットと共に地球へ移住してきたぬこ型知的生命体。
太古の盟約に従い、普通のぬことして振る舞いながら人々を守護する。 - スヌ・イーカ
ヌコンの民と敵対する、かつての同郷者。
洗脳による浸透作戦の先兵としてポチカス等を送り込んで地道(?)に活動中。 - ヒット
ヌコン、スヌ・イーカと共存していた太古の人類種でヌコンと共に逃れてきた。
現在は土着の地球人と交わり、純粋な血筋は途絶えている。 - 地球人
元々地球にいた人間、即ち我々の事。
滅茶苦茶身体能力が高く、戦闘民族もかくやと言う程に強いが精神攻撃に耐性なし。
この脆弱性が、人知れぬ争いの火種となった。 
💥 欲求の衝突が発端を生む
前提がある事で、拙著では以下のイシューが劇中に存在します。
- ぬこは太古に地球へ移住してきた知的生命体の末裔
 - イッヌはぬこと敵対している侵略者が擬態している(ただのイッヌも勿論いる)
 - ぬこ達とイッヌは敵対している
 - ヒットは光と闇の果てしないバトルの事を全く知らない
 - ぬことイッヌはそれぞれの事情でヒットに存在を知られてはならない
 
要は「ぬことイッヌがヒットを巡って対立してるけど、ヒットはそれを全く知らない」という事ですね。
この設定があると、以下の様なキャラ同士の突き♂合いがプリッ♪とひり出されます。
- チャトラスたちは、「ヒット(咲)を護りたい」という守護の欲求。
 - ポチカスは、「支配と快楽でヒットの全てを塗り潰したい」という侵蝕の欲求。
 
この真逆のエネルギーがぶつかった瞬間、
“人知れず勃ち起がった光と闇の果てしないバトル”がおっ始まります。
そして、それに巻き込まれた咲(=ヒット)は、
ぬことイッヌの戦いの“媒介”=第三勢力として物語を加速させます。
それもヒットが全くうかがい知れないところで、という点がこのテイルズの妙、という事です。
(とことんしつこいダイマw)
🌱 実際の創作プロセス:『傍らにいるものたち』の発端もこの流れだった
話をしよう。
あれは今から三十六万……。
いや、一万四千年前だったかな?w
……大天使ジョークはさておいて。
この作品が生まれたのも、まさにこの「主人公と悪役の突き♂合い」思考からでした。
最初のきっかけは、枕元で下僕を見下ろすぬこの写真をネットで見た事です。
「……実はこいつら、高次元の存在なんじゃ?」
その時、ふと閃いた!
このアイディアは新たなるテイルズの創作に活かせるかもしれない!
そういう直感から物語が動き始めました。
- じつはぬこって人類を陰で守ってきた知的生命体なんじゃね?→ ヌコンの民が誕生。
 - ほんなら、その対になる侵略者も居るんちゃうんか?→ スヌ・イーカとその先兵 ポチカスが出現。
 - そも、こいつらなんで喧嘩しよんの?→ 「ヒット(人類)の扱いを巡る有史以来の対立」へ到達。
 
ぬこの存在にムジュンが無いように問答した結果、次々と要素が確定していきました。
つまり――
“主人公を立てたら、悪役が生まれ、世界の歴史が生まれた”のです。
これがまさに「価値観と欲求の衝突によって宇宙が動き出す」瞬間。
物語の発端も結末も、この二つの意志の交錯から自然に生まれました。
🕊 結末は「どちらの欲求が成就するか」で決まる
「誕生秘話は分った。ほんならどうやってケツ♂末を考えたん?」
と思われる事でしょう。
へっへっへ、そう慌てなさんなってw
物語の“終わり”は、誰かが勝った時ではなく、
どちらかの欲求が静まった瞬間です。
この拙著では、ポチカスの「侵蝕の欲求」が敗れ、
チャトラスたちの「調和の欲求」が再び世界を包み込みます。
つまり――
発端=「欲求の衝突」
結末=「欲求の収束」
という美しい往復構造が成立しているわけです。
劇中では分かりやすくポチカスをぶちのめしていますが……。
上手い事説得してポチカスに諦めさせて衝突を回避する事でも解決しますよね。
要は、終わればどっちでもええって事です。
例えば、チャトラスとポチカスがジツの掛け合いした結果
「フンッ!(カガッ!)」
「クッヒャ!? ……アレ? ワシこんなトコで何してんねやろ?」
「お前はこれから本星に居る連中のふぐりをかみ砕きに行くと言っていたではありませぬか?」
「……ンー? ……おおーっ、そやったわ! ほな今から逝ってくるわ! おおきに!(ソソクサ)」
「……フッ、逝ったか……。どうやら我らのジツが一枚上手だったようだな」
「あのような下郎は我らの下働きがお似合いですわっ」
みたいな感じで洗脳しかえしてもおk。
ネムキとかのミステリー系漫画とかなら、こういうモヤッとしたケツ♂末が選ばれるでしょう。
「アレ?これぬこも悪モンなんか?」っていう。
兎にも角にも。
討伐、和解、逃亡……。
数あるルートの内、テイルズのスタイルに最良と思われる選択を自由にしていくとよろしいでしょう。
🧭 まとめ:発端と結末は“衝突と収束”で考える

「説明が長くてめんどくせーw」
っていう忙しい人向けに要点だけでまとめ。
| 段階 | 定義 | イメージ | 
|---|---|---|
| 発端 | 欲求の衝突(誰かが何かを邪魔された瞬間) | 火花が散る | 
| 結末 | 欲求の収束(どちらかが静まる瞬間) | 灰が落ちる | 
💡物語の芯は「戦い」ではなく「欲求のぶつかり合い」。
どちらかの欲求が勝つか、折れるか、融合するか――
その選択こそが、あなたの作品の“テーマ”になります。
🌀 補足:第三勢力による“強制対立”というルートもある
ここまで読んでお気づきの方もいるではないでしょうか。
「オイッ、実は主人公も悪役もどっちも悪くない時はどないしてくれんねん!?」
「裏で糸をひいてる真のラスボスに戦いを強いられてたりせんのか?」
聡明なるヘッズはこのように思う事でしょう。
勿論、そういうケースもございます。
実際の作品では、主人公と悪役が直接ぶつかるだけではなく――
「第三の存在(勢力)」が、両者をぶつけたり、共闘させたりする構造もある。
たとえば『クロノ・トリガー』では、
主人公たちは当初“魔王”を敵としますが、
真の元凶となる存在を知った瞬間、敵味方が反転します。
これは「第三勢力による強制的発端→価値観の再編による結末」という上級構造。
創作に慣れてきたら、こうした“力の三角形”にも挑戦してみましょう。
……と、言いたい所ですが。
だがちょっと待って欲しい。
我らノービスがこの要素を咥え挿れるのは時期尚早といえます。
💡 ノービス段階では、まず二項構造(主人公vs悪役)でOK。
下手に要素を増やすのは混乱の元!
簡単でもいいので、先ずは経験値を得てアビリティを拡張していくのが肝要です。
レベルうpを果たし、単純構成にモノ♂足りなくなったら挑戦しましょう!
まずは完走した感想を沢山積み重ねよう!
🪶 総括:物語は「衝突」と「収束」の往復運動でできている
発端は「欲求の衝突」
結末は「欲求の収束」
そして物語とは、その間をつなぐ“心・技・縁”の運動記録である。
物語とは、「誰かの心が揺れ、他者とぶつかり、やがて何かが変わる」プロセスそのものです。
主人公と悪役の二つのベクトルを用意したのは、その揺れを描くためだったんですね。
つまり、物語とは“動く方程式”です。
💡(主人公の欲求)+(悪役の欲求)=(世界の変化)
この式が成立すれば、どんなジャンルでも「動き」が生まれます。
バトルでも恋愛でも、日常でも推理でも――
要は、“誰かが動き、誰かがそれを阻む”という構図があればッ!
それだけでドラマになる、という事です。
🌍 「運動の軌跡」こそがストーリーの本質
発端と結末は、線の両端ではなく、円の入口と出口です。
衝突によって世界が歪み、行動によって修正され……。
その抜き挿し♂の“揺れ”がキャラクターの成長となります。
衝突(発端) → 揺れ(ドラマ) → 収束(結末)
この三段階を踏むだけで、どんな短編でも筋が通ります。
もし行き詰まったとしても……。
大丈夫だ、問題ない。
神は言っている、「どこで揺れて、どこで静まるか」と。
キャラが動き、関係が変わる場所が見えたならばッ!
それが物語の中心線です。
🧭 次のステップへ
さて、ここまでで、あなたは「物語を動かすエンジン」を手に入れました。
次に必要なのは、そのエンジンを使った製品の設計図を著す作業です。
それが、次章で扱う――
『プロット5W1H報告書スタイル』。
小説の創作というのは、「進捗の報告義務があるプロジェクト」みたいなもんです。
プロットは「作業全体の概要と業務フロー」。
当然、貴方の上司や先生に一旦報告しなければ次に進めません。
四大要素と七要素で“立体的に動く物語”を作ったら、
次はそれを紙の上で誰が・どこで・何を・なぜ・どうやって動くのか整理し、第三者が見ても理解できる形に出力する。
つまり、「まずは稟議書よろすこ」って事です。
(学生諸氏へ補足:稟議書というのは、偉い人に発案を説明して認めてもらうための文書の事です。いわば「この企画、マジでパナいっす!」ってプレゼンするためのお伺い書みたいなもんですw)
「編集なんて憑いてねーぞ、ふざけんなタコッ!」
「ホビーでやってんのに誰に報告するんだよバーカ!」
と言うヘッズもいらっしゃるかと思われます……。
ですが、この作業でアイディアは「構想」から「構造」へと着実に進化します。
あなたの中にある“動く物語”を可視化する事は、決して不利益などありません。
騙されたと思って一度やってみて欲しいです。
物語は、誰かが手を動かした瞬間にこの世界へ現れる“生き物”です。
四大要素と七要素を咥え挿れた今、もうあなたの中には“動く物語”がいる。
あとは、それを一枚の報告書にまとめて外の世界へ送り出すだけ。
……その時、あなたはもう“ノービス”ではありません。
如何だったでしょうか。
今回はここまでです。
次回はいよいよ最終回。
アイディアを形にするジツを解説して逝きます。
お楽しみに!
では、サラダバー!
 


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